昔の友人からかかってきた一本の電話。
”もう一度やり直せる道がある”と
ふと思い出したようにいった言葉に、
12歳のあの冬の日を思い出す...
映画”君のためなら千回でも”の原作本をご紹介します!
カブールで召使ハッサンとともに育ってきたわたし。
凧合戦のあと、それは起こってしまう。
民族間の軋轢があったカブールでは、子供たちの中にも
争いが入り込んでいた。正直、子供だけでここまでの
出来事になるとは思っていなかったので、かなりの衝撃。
著者の詳細な情景描写が冴えてます。
現在暮らすアメリカや、幼少育ったカブールの
絵画のように美しい情景が随所に織り込まれて
いただけに、光と闇との落差が胸をつきました。
あの出来事の後”いまのわたしになってしまった”
わたしがもう一度やり直すためにカブールに戻る現在へ
話が転換するが、現地はさらにひどい紛争になっている。
ここで過去と現在が幾重にも交錯するくだりは
ただただ圧倒されるばかり。息がつけません。
ハイテンションではなく、恐怖のあまり...
というところが戦争がらみなところでしょうか。
過去の悪夢が出現するところはふいをつかれて、
思わず”あっ”と息を呑んでしまいました。
扱っているテーマ出来事は重いですが、
色鮮やかな絵画的表現が多く、その中にある暗い色
という印象なのでHP(ヒットポイント)が減るような
ダメージはそれほど受けません。
また、最後には、いろいろな物事がきちんと着地していき、
読後の”よかった感”に結びつきました。
イメージ的には”スラムドッグ$ミリオネア”の
映画版にとてもよく似ています。
普段本を読まない人にもぜひぜひぜひ!
手にとっていただきたい作品です。
さて、映画版も観ようかな!
(結局書籍→映画になってしまう人、、、)
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