2009年6月15日月曜日
きみのためなら、千回でも (同タイトルの映画の原作)
昔の友人からかかってきた一本の電話。
”もう一度やり直せる道がある”と
ふと思い出したようにいった言葉に、
12歳のあの冬の日を思い出す...
映画”君のためなら千回でも”の原作本をご紹介します!
カブールで召使ハッサンとともに育ってきたわたし。
凧合戦のあと、それは起こってしまう。
民族間の軋轢があったカブールでは、子供たちの中にも
争いが入り込んでいた。正直、子供だけでここまでの
出来事になるとは思っていなかったので、かなりの衝撃。
著者の詳細な情景描写が冴えてます。
現在暮らすアメリカや、幼少育ったカブールの
絵画のように美しい情景が随所に織り込まれて
いただけに、光と闇との落差が胸をつきました。
あの出来事の後”いまのわたしになってしまった”
わたしがもう一度やり直すためにカブールに戻る現在へ
話が転換するが、現地はさらにひどい紛争になっている。
ここで過去と現在が幾重にも交錯するくだりは
ただただ圧倒されるばかり。息がつけません。
ハイテンションではなく、恐怖のあまり...
というところが戦争がらみなところでしょうか。
過去の悪夢が出現するところはふいをつかれて、
思わず”あっ”と息を呑んでしまいました。
扱っているテーマ出来事は重いですが、
色鮮やかな絵画的表現が多く、その中にある暗い色
という印象なのでHP(ヒットポイント)が減るような
ダメージはそれほど受けません。
また、最後には、いろいろな物事がきちんと着地していき、
読後の”よかった感”に結びつきました。
イメージ的には”スラムドッグ$ミリオネア”の
映画版にとてもよく似ています。
普段本を読まない人にもぜひぜひぜひ!
手にとっていただきたい作品です。
さて、映画版も観ようかな!
(結局書籍→映画になってしまう人、、、)
登録:
コメントの投稿 (Atom)
0 件のコメント:
コメントを投稿