2008年8月11日月曜日

落下の王国。

汝、落下を畏れるなかれ この美しき世界を仰ぎ見よ

二人で作った物語の中の 英雄達が教えてくれた
絶望の淵に落下しても 生きていさえいれば
この世界は美しい

The Fall

ちょっと前になりますが、”ザ・セル”という映画があったのをご存知ですか?

心理カウンセラーが、意識不明になってしまった殺人鬼の
意識の中に入り、捕らえられている被害者の居所を探って
救い出そうとする話。

後に”映像の魔術師”と言われるようになったターセムが監督、
衣装をアカデミー賞を受賞(”ドラキュラ”)した石岡暎子さんが
話題になりました。しかし馬が○○されたり、△をXXされたりして
かなり残酷と思われそうな、(否はっきり残酷か)な描写も多いのね。
賛否両論、好き嫌いははっきり分かれる作品でしょう。

そして私は断然好きなほう。そういう描写が好きだというわけではなく、
全体の色彩感覚や発想(妄想?)度合が群を抜いていたから。
私の色彩観はかなり影響を受けました。

さて。本題の”落下の王国”のお話はといえば。

映画の撮影中に大怪我をし、入院しているスタントマンのロイは
同時に手痛い失恋をしてもう生きていく気力がなくなりかけていた。
病院で出合ったのは腕を骨折したアレクサンドリアという少女。
ロイは彼女を、彼が自殺するための薬を持ってくるよう仕向けるため
即興で勇者達の冒険物語をし始める...。

13の世界遺産と24カ国以上にロケーションしただけあって、
見た事のない風景や建物、自然がたっぷり。特撮はなし。
世界は知らないことで溢れているということか。
石岡さんも再び参加して、幻想的な雰囲気を盛り上げる。

主人公2人も個性的。
アレクサンドリア役のカティンカ・アンタルーは
デビュー作とは信じられないほど。今まで観た子役で
一番個性的で、話し方も行動もとても愛らしい。
前半微笑ましくて、そして涙を誘う後半に注目ね。

スタントマン役のリー・ペイス。ストーリーを語るには
最適とも言える極上な響きがある声を持つ。
これは子供でなくても、”お話して!”って言うと思うわ。
角度によって表情がかなり変わるから、ギャップがあって
かなりどきっとします。違う役や映画でも早く観てみたい。
期待の俳優です。

極彩色の衣装、見たことのない建物や風景、勇者達の
奇想天外な物語。少女と青年の会話、駆け引きと交流。
どれも感性を刺激してくるでしょう。

勇者やお姫様好きなら彼の話の展開が気になるでしょうし、
見たことのない異国の風景を観るのも良し。
どなたでも、どれか何かが印象に残る、個性的な映画だと思います。

パンズ・ラビリンスやザ・セルが大好きな人はもちろん必見。
出てくる何にでも対応できて(だって痛いのも大丈夫でしょ?)、
なおかつ楽しめるはず。

難しいことは考えず、ただ感じてください。

9月6日公開。

作品の感じが分かったらサイトはあまり見過ぎないほうがいいかも。
あとは本編を楽しんでから??
おススメはDownloadsの写真を、映画を思い出しつつ眺めること。

落下の王国HP
http://www.rakka-movie.com/

The Fall HP
http://www.thefallthemovie.com/




ちなみに。”ファイト・クラブ”のデヴィッド・フィンチャーと
”マルコビッチの穴”のスパイク・ジョーンズがサポートしてる。
さすが。Googly Filmというプロダクション名が謎だけど笑。

また。チラシが2パターンありました。テキストもビジュアルも違うので
入手できたら、ぜひ比べてみてください。

いやー、本当にいい映画だった。

0 件のコメント: